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BEYOND: Two Souls (2015リマスター) レビュー

2010年代中盤に産み落とされた「ゲームに寄せた映画」はストーリー重視だが平凡な出来。操作感はやや難あり。映画の中に入って主人公を自由に操ろう。
「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」で知られる Quantic Dream 開発の大作。一見してビジュアル特に人間の表情などの完成度は当時話題になっただろうと想像できる。精巧なモーションキャプチャにより顔パーツの動きが緻密でキャラクターの感情が無言でも伝わる。主人公ジョディの波乱の人生を時系列シャッフルでプレイしていく。


終始ハリウッド的ド派手展開が連続してプレイヤーを飽きさせない工夫がある。EAの Starwars系タイトルで体験出来る「動かせる映画」に似た感覚だ。「見るゲー」としてカメラをグリグリしてキャラクターの好きな姿をじっくり鑑賞してほしい。

肝心のゲームプレイだがカットアングルの気持ち良さに操作性は追随出来ていない。QTEも含まれるそのプレイ感覚は独特というよりゲームとしてはストレスがたまるものだった。技術力を活かすためのコンセプト構築とゲームに求められるユーザビリティの検討が充分ではなかったか。


ストーリーは既視感のあるアクション物で先の展開がイメージ出来るのには参った。選択肢がゲームに影響することもなく淡々と映画に乗っけられてプレイが続いていく。語り口がなんとも散漫な印象で没入感に乏しく気持ちは上がらない。せっかくの凝った戦闘ステージも武器の微妙な操作性で台無しなのが勿体ない。

ブートキャンプ辺りは難所で前述の操作性がリプレイ無双を生み出し熱かった。リアリスティックな映像表現は秀逸。見せ方と戦闘システムとメカニクスにもう一工夫欲しかった。

まあこんな事もある。前作は評価が高いようなのでそっちをプレイしてみようと思う。普段ゲームで遊ばない映画好きには一定の需要が発生するかもしれない。または製作者の意図通りのプレイをさせられて抵抗感のない人にはお勧め出来る。ゲームとしてではなく娯楽冒険映画としては及第点であろう。