Unravel レビュー

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「毛糸のヤーニー」の家族の記憶探しの旅。語り過ぎないストーリーがヤーニーへの想いを深めさせることに。

 「Unravel」はスウェーデンのデベロッパー Coldwood Interactive が開発しエレクトロニック・アーツが発売した横スクロール式で物理演算ベースのパズル&アクションだ。オープニング前に Coldwood Interactive からのメッセージが表示される。魂込めた作品がこのような形で発表出来て嬉しいとの事。気持ちの良い幕開けだ。

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遠い日の記憶は紡いでくれた人の姿なのか。
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アルバムをそっと閉じて旅立つヤーニーがいじらしい。

 本編は1本の編み糸から生まれたヤーニーの心温まる冒険が文字通り紡がれていく。赤い糸をひっかけたり結んだりロープの代用にしたりして多彩なステージに挑戦する。

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こんなシーンでは物理演算が働きオーバーシュート気味になる。

 特徴的なのは背景クオリティの高さ。奥行きを感じさせるリアリスティックな自然の風景がゲーム中に展開される。レンズを絞り解放にしたようなボケが後ろに広がり美しさに一役買っている。作り主(おばあさん)への想いがヤーニーの冒険の旅の動機で応援したくなる。

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重力、浮力などを利用して関門を突破していくのが楽しい。
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リンゴに乗って波乗りヤーニーも発生。ここでも反力はリアルだ。

 初見ヤーニーは可愛くないと思っていたが出自や旅の目的を知るにつれて愛着が増してきた。行動半径が毛糸の長さに制限される設定がいい。道中で毛糸を補給することで脚を延ばしていく。それも含めてパズルを解決していくのが楽しい。基本毛糸をひっかける場所をまず見つけた上で巻いたり引いたり張ったり (ジャンプ土台) あとはアイディア次第。オブジェクトも利用するのでそれらを発見して活用するのも重要になる。

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トラップ突破を目論んで仕込み中のヤーニー。

 毛糸をオブジェクトの通り道にするのはあり得ないと決めていたので気づくまで時間がかかってしまった。また幾つかのアクションは慣れるまでスティックとトリガーの連携が難しいと感じられるものもある。この辺りはひたすら繰り返すしか克服する方法はない。稀に毛糸使用必須ではないステージもあり冒険を進める上で頭の柔らかさは必要かも。

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残り糸を気にしているが行動限界はあって無いようなものだ。

 セリフやテキストがない事がゲームプレイの没入感に寄与している。操作チュートリアルはあるがヤーニーの説明がないのでプレーヤーがあれこれ想像する余地があり、結果感情移入しているといった具合だ。奏でられる牧歌的なテーマ音楽も旅情を誘う良くマッチしたものになっている。一見のイメージを実際プレイすることで大きく変えられたタイトルになった。

© 2016 Electronic Arts Inc. Unravel is a trademark of Electronic Arts Inc.

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